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「簡単なシステムを作ってほしい」を開発会社に断られたら

2026年9月9日 / 48時間ツール工房

知り合いに紹介してもらった開発会社に、「そんなに難しいものではないんです」と説明した。担当の方は熱心に聞いてくれて、後日見積を出しますと言った。それきり連絡が来ない。あるいは、届いた見積が想像の5倍だった。あるいは「まずは要件定義から」と言われ、その要件定義だけで予算の半分が消えると分かった。

この記事は、そこで止まってしまった方に向けて書いています。断られたのは、あなたの依頼がおかしいからではありません。依頼の大きさと、相手の会社の原価の形が噛み合っていないだけです。理由が分かると、同じ依頼を「通る形」に直せます。

なぜ「小さい仕事」ほど断られるのか

開発会社が1件を受注するとき、規模に関係なく必ずかかる手間があります。金額が10分の1でも、この部分はほとんど減りません。

規模に比例しない手間中身案件が大きいと
商談・ヒアリング訪問または打ち合わせを1〜3回同じ
見積・提案書の作成作業を分解して工数を積むほぼ同じ
契約・与信・請求の事務契約書の確認、取引先登録、請求処理同じ
品質の手順設計書、テスト仕様書、レビュー、納品物一式同じ形式で用意する
納品後の窓口問い合わせを受ける体制を数年ぶん同じ

仮にこの固定の手間が合計で60万円ぶんあるとします(大きすぎる想定ではありません。担当者と営業と管理部門が動く時間を足すとこの程度になります)。すると——

受注額固定の手間が占める割合会社から見た判断
50万円120%受けるほど赤字
150万円40%ほぼ利益が残らない
2,000万円3%採算に乗る

だから多くの開発会社は「最低受注金額」を持っています。300万円、500万円といった線です。あなたの依頼が断られたのは、その線より下だったからで、内容の良し悪しではありません。同じ大きさのまま次の会社に持っていっても、多くの場合は同じ結果になります。

もうひとつの理由:人が空いていない

開発会社の在庫は人です。大きな案件に人を張っている時期は、小さい案件は工数の谷を埋めるためにしか受けられません。「今は手が空いていなくて」は、断り文句であると同時に、そのまま事実であることも多いです。

断られ方には4つの型がある

言われ方によって、次にやることが変わります。

言われたことだいたいの意味次の一手
「今は手が空いていない」
そのまま連絡が来ない
最低受注金額に届いていない規模を変えずに他社を当てても同じ。範囲を小さくして出し直す
見積が想定の5〜10倍その会社の標準の作り方(設計書・テスト仕様書・複数人体制)が丸ごと乗っている内訳をもらい、「どの項目を外すといくら下がるか」を聞く
「まずは要件定義から」(有償・数十万)何を作るか決まっていない段階を切り出す進め方。方式としては真っ当成果物が何か、それを他社に持ち込めるかを先に確認する
既製のパッケージやSaaSを勧められる作るより買うほうが安い、という判断合うなら素直に導入が正解。合わない部分が残るなら、そこをどう回すかまで聞く

2番目の「見積が高い」は、値切る話ではありません。金額の大半は機能ではなく工程についているので、機能を削っても思ったほど下がらない代わりに、工程の前提が変わると大きく動きます。内訳を見せてもらう価値があるのはそのためです。

断られたあと、次にやりがちなこと

どれも間違いではありません。向く場面と、詰まりやすい場所があるだけです。

次の一手向いている場合詰まりやすい点
社内のExcelが得意な人がマクロで作るその人が今後も面倒を見られる範囲異動・退職で誰も触れなくなる。壊れたときに直せる人がいない
ノーコードツールで自作する入力フォームと一覧を作るところまで帳票の体裁、複雑な計算、印刷で行き詰まる。人数ぶんの月額が積み上がる
フリーランスに直接頼む相性が合えば費用も速度も最良連絡が途絶えたときに引き継げない。ソースコードの受け渡しを決めていないことが多い
業務パッケージを導入するその業界の標準的な業務そのもの自社独自の部分が残り、結局Excelが併存する
今のまま手作業を続けるその作業が月30分程度なら合理的月10時間を超えているなら、1年で開発費を上回る

いちばんもったいないのは、断られたことを「この規模ではもう無理だ」と結論してしまうことです。無理なのは「今の依頼の大きさ」であって、困っている業務そのものではありません。

依頼を「通る形」に直す、3つの切り方

小さくする、といっても機能を我慢する話ではありません。最初に作る1つを決めることです。切り方は3通りあります。

1. 画面の数で切る

システム全体ではなく、いま最も時間を食っている1画面だけにします。受発注・在庫・請求・分析が全部ほしいとしても、毎日1時間かかっているのが「注文の入力」なら、まず入力画面と、その日の一覧を出す機能だけ。効果が出る場所と、範囲が小さい場所はたいてい一致します。

2. 使う人数で切る

全社ではなく、まず担当者1人か2人が使う形にします。人数が増えると、ログイン、権限、同時編集、通知が必要になり、規模が一段上がります。逆に言えば、1〜数人で使う道具なら、そこを全部省けます。

3. 今の様式をそのまま持ち込む

出力する帳票のデザインを作り直さないと決めるだけで、設計の議論がまるごと消えます。「今この紙をExcelで作っています」と現物を渡せば、それが仕様書の代わりになります。作り直したいものではなく、今あるものを渡すのがコツです。

依頼文を書き直してみる

断られやすい書き方

「受発注管理システムを作ってほしい。受注入力、在庫との連携、請求書の発行、売上分析まで。予算は50万円くらいで考えています」

相手が困る点:領域が4つある/既存システムとの連携範囲が読めない/規模と予算が噛み合わない。見積を作るだけで数時間かかるので、後回しになります。

返事が来やすい書き方

「毎日FAXで届く注文書が30枚あり、事務2名でExcelに手入力しています。1日およそ1時間です。入力する画面と、その日の出荷一覧を印刷する機能だけを、まず作ってほしい。今使っている出荷一覧のExcelを添付します。10月中に使い始めたいです」

同じ会社の同じ困りごとですが、これなら相手はその場で見積れます。範囲が閉じていて、現物があり、期限がはっきりしているからです。

書くべきことは4行だけです。

  1. いま何を、どれくらいの時間をかけてやっているか
  2. 誰が使うか(人数)
  3. 出したい紙・ファイルは何か(今の様式を添付する
  4. いつまでに必要か

この4行があると、相手は「作れるか」ではなく「いくらで作るか」を考え始めます。断られる依頼の多くは、前者の判断に時間がかかる形をしています。

「1画面だけ作る」とどれくらいのものになるか:見積書ジェネレーター(デモ) 品目を選んで数量を入れると、金額の計算から印刷用の見積書までその場で出ます。画面はこの1枚だけ。範囲を小さく切るというのは、たとえばこういう単位のことです。登録もインストールも不要で、そのまま触れます。

なぜ私たちはこの大きさを受けられるのか

冒頭の原価の話は、私たちにも同じようにかかります。それでも小さい仕事を受けられるように、次の4つを固定しています。

受けられない依頼もあります

基幹システムとの双方向のリアルタイム連携、法令で監査証跡や認定が求められるもの、数十人が同時に使う業務。これらは正直にお断りしています。その場合も「どういう規模の会社に頼むと良いか」を書いてお返しします。断るときに理由を書かないのは、いちばん困る返事だと思うからです。

よくある不安

小さく作ると、あとで作り直しになりませんか

データの持ち方(何を1件として、どの項目を残すか)だけ最初に決めておけば、画面と機能は後から足せます。実際に作り直しになるのは逆のとき——使われるかどうか分からないものを、最初に大きく作ってしまったときです。まず1画面を使ってみると、次に何が要るかは現場が教えてくれます。

他社に断られた案件を、そのまま持ち込んでもいいですか

はい。むしろそのほうが早く進みます。他社に送った依頼文と、返ってきた見積があれば、そのまま転送してください。どこに費用が乗っているのか、どこを切れば48時間で出せるのかを見て、「作るもの1枚」にしてお返しします。他社の見積を値下げ交渉に使うことはしません。

既存のシステムがあります。つながりますか

CSVで出し入れできる仕組みなら、たいていつながります。APIでの連携は1つまでをスタンダードプランの範囲に含めています。つながらない場合は「ここは手作業のまま残る」と最初に明記します。できないことを曖昧にしたまま進めません。

作ったあとの面倒は誰が見るのですか

納品から7日間は無料で修正します。その後は保守(月2件までの改修、不具合対応は無制限)をご用意していますが、入らなくてもツールは動き続けます。ソースコードをお渡ししているので、社内の方や他社が引き継ぐこともできます。

費用と期間

プラン内容期間金額(税別)
ライト画面1〜2枚、機能1つ。個人〜数人での利用48時間¥98,000
スタンダード画面3〜6枚。データ蓄積・ログイン・通知・外部連携1つ5営業日¥298,000
保守・改修月2件までの改修、不具合対応は無制限月額¥30,000

先ほどのFAX注文の例なら、入力画面と出荷一覧の印刷まででライトプラン。ここに「複数人がログインして使う」「過去の注文を貯めて検索する」が入るとスタンダードです。断られた依頼を全部あきらめる必要はなく、最初の1つを決めるだけです。いずれも初期費用のみで、月額の利用料はかかりません。

断られたときのメールを、そのまま転送してください

他社に出した依頼文、返ってきた見積や断りの返信、今使っているExcelがあれば十分です。どこまでなら48時間で出せるのか、何がライトで何がスタンダードなのかを1枚にしてお返しします。作らないほうが良いと判断したときは、その理由も書きます。相談は無料です。

メールで相談する

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