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「あの日の点呼、記録が残っていません」

2026年10月8日 / 48時間ツール工房 / 社用車の点呼とアルコールチェックの記録

巡回指導の日です。指導員が言います。「昨年5月12日、運転者の方の乗務後の点呼記録を見せてください」。綴りを繰ります。その日の紙が出てきません。直行直帰で、電話で確認したのは覚えています。声は普通でした。書いていません。その場で説明して、改善報告を出して、次の指導までに社内の決まりを作り直します。

先に結論を書きます。点呼の記録が抜けるのは、点呼をしていないからではありません。多くの場合、確認そのものは行われています。抜けるのは「やる場所」と「書く場所」が離れているからです。確認するのは車庫や現場や電話口で、記録簿は事務所の棚にあります。間に「あとで書く」が1回入るだけで、その日の行は記憶から書く行になります。記憶から書いた数値は、記録ではありません。

いつから、何を残すことになっているか

先に前提を整理します。ここは会社の種類で変わります。

この記事はどちらにも共通する「記録を残す作業」の話です。どの条文がどこまで掛かるかは所轄の警察署・運輸支局の判断が先になりますので、この記事を根拠に運用を決めないでください。ここで書くのは「残すと決まっているものを、どうやったら毎日抜けずに残せるか」だけです。

記録が抜ける3つの理由

1. 書く欄が、思っているより多い

「アルコールチェックの記録」と聞くと、名前と数値を書くだけのように思えます。実際に埋める欄はもっと多いです。

1件ごとに10以上の欄があります。1日2回(乗務前と乗務後)、運転者が8人いれば1日16件です。1件30秒で終わる作業ではありません。だから後回しになります。後回しが抜けの入口です。

2. 書く場所が、やる場所にない

確認は車庫の前、事務所の入口、現場、あるいは電話口で行われます。記録簿は事務所の棚にあります。事務所に戻る人は書けます。戻らない人の分が書かれません。早朝の出発と深夜の帰着も同じです。確認した人が帰った後に紙だけが残り、翌朝、別の人が「たぶん大丈夫だった」で埋めることになります。

3. 抜けは、抜けた日には分かりません

これがいちばん効いています。記録は1年保存です。抜けたことに気づくのは、巡回指導か、監査か、事故のあとです。半年前の抜けは、気づいた時点ではもう埋められません。後から書けば、それは記録ではなく作文です。

そして「今日、誰がまだ受けていないか」を出す仕組みが、紙の綴りにはありません。綴りは「書いた分」しか見せてくれません。書かれていない行は、画面の上でも紙の上でも、何も言わずに存在しないままです。

月末にExcelへ打ち直すのは、清書です

よくある対処は、紙で取った記録を月末にExcelへ打ち直すことです。並べ替えや集計ができるようになるので、進歩しているように見えます。ただ、打ち直しても記録は1件も増えません。紙に無い日はExcelにも無く、打ち間違いの余地だけが増えます。

必要なのは清書ではなく、書く場所をやる場所に近づけることです。車庫で確認したその場で1件が終わるなら、「あとで書く」が発生しません。

画面にすると、何が変わるか

入り口が「今日まだ受けていない人の一覧」になる

最初に出るのは、今日乗務する運転者の名前と、乗務前・乗務後それぞれの済/未です。済んだ人は薄く、未の人だけが上に残ります。「今日まだ受けていないのは、この2人です」が探さずに見えます。抜けを見つける仕事が、月末から当日に移ります。

欄が最初から決まっていて、空のままでは保存できません

上に並べた項目をそのまま欄にします。方法(対面/電話)、確認者、車両番号、検知器の使用、数値、指示内容。埋まっていない欄があると保存できない形にしておくと、「名前と数値だけ書いて先へ進む」が起きません。項目は御社の記録簿の様式に合わせます。

数値は、キーボードを見ないで入れられます

検知器の表示をそのまま入れます。0.00 を既定値にしません。既定値にすると押すだけで 0.00 が並び、確認していない日と見分けがつかなくなります。0.00 以外を入れたときは指示の欄が開き、乗務させない旨を書くまで閉じない作りにします。

車庫でも、スマホでそのまま入ります

画面はスマホで動きます。確認した人が、その場で1件を終えられます。電話での確認も同じ画面から入れて、方法の欄が「電話」で残ります。対面と電話が混ざっても、後から区別できます。

1年分が、日付と運転者で引けます

「昨年5月12日、この運転者の乗務後」を日付と名前で引いて、その1件を出せます。月ごとに印刷・PDFにもできるので、綴りとして残す運用も続けられます。CSVで書き出せるので、いまお使いの表にも渡せます。

車検・点検・保険・免許の期限も、同じ台帳に乗ります

車両の車検と点検の期日、任意保険の満期、運転者の免許の有効期限は、点呼の記録とは別の紙で管理されていることが多いです。相手が同じ(車と人)なので、同じ台帳に乗せられます。期限が近いものは入口に出ます。期日の並べ方は、士業事務所向けに作った期限の管理のデモがそのまま使えます。名前を置き換えただけで同じ作りです。配車や運行の側も一緒にしたい場合は配車・運行のデモのほうが近いので、どちらを土台にするかは先に見ていただくのが早いと思います。

いまの紙・Excelからの移し替え

移し替えるのは運転者の名簿と車両の一覧だけです。この2つが入れば、翌日から記録を取り始められます。過去の紙を入力する必要はありません。紙は紙のまま綴って保存し、画面は「今日から先」を受け持つ形で構いません。

記録簿の様式が決まっている場合は、その様式のまま印刷できるようにします。いまの紙と同じ並び・同じ項目名で出せるようにしておくと、社内の決まりを書き直さずに切り替えられます。

作らないほうがよい場合

次のどれかに当てはまるなら、作らないほうがよいとお伝えします。

期間と費用

当日の未実施一覧・1件の登録・日付と運転者での検索・印刷・CSVまでで、画面は1〜2枚に収まります。確認する人が1人か数人で、1つの事業所で使うのであればライトプラン(¥98,000・税別/48時間)の範囲です。運転者本人がスマホから入れる、事業所を分けて見える範囲を変える、確認者ごとにログインを分ける、といった場合はスタンダードプラン(¥298,000・税別/5営業日)になります。どちらに当たるかは、いまお使いの記録簿を1枚見せていただければその場でお答えします。

項目を足したい、印刷の様式を変えたい、といった後からの手直しは保守(¥30,000/月・税別、月2件までの改修)の範囲で対応できます。

「今日まだ受けていないのは、この2人です」が入口に出る状態にします

いまお使いの点呼記録簿か確認記録の用紙を1枚(運転者名は伏せていて構いません)。それだけで十分です。画面が何枚になり、ライトとスタンダードのどちらなのかを1枚にしてお返しします。運転するのが2〜3人で全員が事務所に来るのであれば、作らないほうがよいとお伝えします。相談は無料です。

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