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内示は900、確定は600でした

2026年9月13日 / 48時間ツール工房 / 内示と確定注文

月初に客先から内示が届きます。10月は900個。それを見て材料を手配し、外注の枠を押さえ、段取りの順番を組みます。月末に注文書が来ると600個。材料は300個ぶん余り、押さえた外注の枠は空きます。翌月は逆に、内示400に対して確定が700で、今度は材料が間に合いません。担当者が読み違えたわけではありません。内示はそういうものだからです。

先に結論を書きます。内示と確定のズレが痛いのは、ズレるからではありません。ズレたことに気づくのが、材料を手配した後だからです。必要なのは精度の高い予測ではなく、内示が前回からどう動いたかが、届いた日のうちに分かる形です。順番に説明します。

内示と注文は、別のものです

どちらも客先から届く数字なので同じ引き出しに入れがちですが、性質が違います。

内示(フォーキャスト)確定注文
中身3か月先までの見込み数量納期と数量の約束
単位品番 × 納入品番 × 納期
変わるか毎回変わる前提変わったら変更注文が出る
番号付かないことが多い注文書番号が付く
使い道材料手配・外注枠・人の張り付け製造指示・納品・請求

厄介なのは、お金を使う判断は内示で下していることです。確定注文が来てから材料を頼んだのでは納期に間に合わないので、内示を見て手配します。つまり内示は「参考値」と呼ばれながら、実際には発注を起こす根拠になっている数字です。

取引基本契約に「内示に基づいて手配した材料は補償する」という趣旨の条項が入っていることもあります。ただし、いざ余った材料を持ち込むときに「いつの内示の、どの数量に基づいて、何個手配したか」を出せるかどうかで話の進み方がまったく違います。条項があっても、根拠が口頭だと相談になりません。

Excelで管理していると、何が見えなくなるか

内示の管理表は、たいていきちんと作られています。問題は表の作りではなく、内示が上書きされることです。

この5つは整理の問題ではありません。最新の数字だけを持つ表を作る限り、必ずこうなります。内示は「今の値」ではなく「変化」に意味がある数字だからです。

正しい持ち方は、内示を上書きせずに足していくことです

1行が「ある日に受け取った、ある品番の、ある納入月の数量」です。持つ欄は 受信日・客先・品番・納入月・数量・種別(内示/確定)だけ。同じ品番の同じ納入月に、何行ぶら下がっても構いません。これだけで、10月分の履歴が
「7月内示 800 → 8月内示 900 → 9月内示 600 → 確定 620」
と1列に並びます。上書きをやめるだけで、増減が引き算で出るようになります。Excelでも作れますが、届くたびに手で追記するのが続きません。ツールにする値打ちは、受け取ったファイルを流し込む操作が、そのまま1行を残すところにあります。

画面に出すべき数字は3つです

1. 前回の内示からの増減が大きい順

全品番を見る必要はありません。動いた品番だけが仕事です。50品番のうち動くのは毎月5〜10品番で、そこに材料の余りと欠品が集中します。増減の絶対値ではなく手配済み数量に対する割合で並べると、金額の大きいものが上に来ます。

2. 客先ごと・品番ごとの「内示に対する確定の実績率」

これが貯まると癖が見えます。A社のこの品番は、3か月前の内示の7割で確定することが多い、という具合です。癖が数字で出れば、内示どおり手配するか、掛け目をかけるかを、勘ではなく過去の実績で決められます。1年ぶん貯まれば十分に使えます。当たる予測を作る話ではありません。外れ方に癖があることを見えるようにする話です。

3. 手配済み数量と、最新の見込みの差

ここが本丸です。材料を何個ぶん発注したかを同じ画面に持つと、内示が下がった瞬間に「この品番は手配300個に対して見込み180個、120個ぶん余る」と出ます。余りが分かるのが月末の棚卸しではなく内示が届いた日になれば、外注への投入を止める、次月ぶんに回す、客先に相談する、といった手が打てます。気づくのが早いことだけが、ここで取れる利益です。

「手配した数」と「必要な数」の差を並べて、足りない/余るを先に出す画面を見る(在庫と発注点のデモ) 在庫の残と発注点を比べて、足りないものを上に並べ、発注リストを印刷・CSV出力するところまで動きます。内示の形にする場合は、比べる相手が「発注点」ではなく「最新の内示数量」になり、履歴の列が1本増えます。今いちばん手間になっている作業をひとつ教えていただければ、その作業に合わせた試作画面を 1 枚、無料でお作りします。

「読み込み」をどこまでやるか

内示のツール化でつまずくのはここです。客先が5社あれば様式は5通りあります。全部を自動で読もうとすると、作るのに時間がかかり、様式が変わるたびに壊れます。

届き方現実的な扱い
客先ポータルからCSVそのまま取り込む。列の対応を1回決めれば以後は自動
Excelの添付同じく取り込む。様式が変わったら対応を直す(保守の範囲)
PDF・FAX・紙手入力でよい

PDFを読ませたくなりますが、1客先あたり月1回、10品番を打ち込んで10分です。読み取りの精度で悩むより、打ち込む画面を使いやすくしたほうが確実に回ります。大事なのは入力の手間ではなく、入った後に履歴として残ることです。手入力を含めて全部が1本の表に乗れば、目的は果たせます。

品番の表記ゆれ

客先の品番と自社の品番が違うのは普通です。ハイフンの有無、枝番の付け方、旧図番のままの客先。対応表を1枚持って、取り込むときに自社品番に寄せます。知らない品番が来たら、取り込みを止めずに「未対応」として一覧に出し、後で紐づける形にします。止めると、担当がその日のうちに片づけられません。

3段階に分けます

第1段階:内示を上書きせずに貯める

受信日・客先・品番・納入月・数量・種別の6欄だけ。CSVとExcelの取り込みと、手入力の画面を作ります。この段階でできるのは「前回からいくつ動いたか」を出すことです。過去ぶんは遡らなくて構いません。3か月貯まれば増減は見えます。ライトプランの範囲です。

第2段階:手配済みの数量を並べる

材料の発注と外注の投入を同じ品番・納入月にぶら下げます。これで「手配300/見込み180/差120」が出ます。購買システムがあるならCSVで受け取れば済み、無ければこの画面で発注を起こします。差が出た品番だけを一覧にして、朝いちばんに見る形にします。

第3段階:内示と確定の実績率を貯める

確定注文が入るたびに、対応する内示との比を自動で記録します。客先別・品番別に1年ぶん貯まると掛け目が出ます。ここは最後で構いません。第1段階の履歴が無いと比べる相手が無いので、先に第3段階から入ることはできません。

第1段階だけでも、内示が届いた日に「動いた品番」が出るようになります。これが一番効く変化です。

逆に、期待しないほうがいいこと

よくある質問

内示が来ない客先もあります

あります。その場合は確定注文だけを同じ表に貯めます。内示が無い客先は、確定注文の履歴そのものが見込みの材料になります。去年の同じ月に何個出たかが並ぶだけでも、段取りの目安になります。

客先の様式が年度で変わります

変わります。列の対応を直すだけなので、保守の範囲(月2件までの改修)で対応できます。様式が変わったことに気づけるように、取り込みで列が合わなかったら止めて知らせる形にします。黙って空欄で取り込むのがいちばん危ないので、そこは止める側に倒します。

生産管理ソフトに内示の機能があります

あるなら、そちらに入れて構いません。足りないのはたいてい「前回の内示との差」「手配済みとの差」の2つです。その2つだけを外に作り、品番と数量はCSVで受け取る形にできます。考え方はパッケージの外に残る仕事と同じで、中心のデータはソフトに置いたままにします。

材料の手配数量が、内示どおりではありません

そのほうが普通です。歩留まりを見て多めに取る、材料の定尺で切り上がる、ロットの単位がある。だから「内示 − 手配」ではなく、手配した実数をそのまま持ちます。切り上がったぶんを含めて、いま何個ぶん抱えているかが分かればいいので、計算で出そうとしないほうが正確です。

誰が入力するのですか

内示を受け取っている人がそのまま入れる形が続きます。取り込みなら1客先1分、手入力でも10分です。現場に新しい入力を増やしません。現場に増やしてよい入力は1日ひとつまでだと考えたほうがよく、これは日報の転記の記事でも書いたとおりです。

何人まで使えますか

内示を受け取って手配する人が数人で、第1段階(履歴と増減)だけならライトプランの範囲です。購買や外注の数量を突き合わせ、複数人で同時に見て記録を貯める第2段階・第3段階はスタンダードになります。人数で追加の費用はかかりません。

データは誰が持つのですか

御社のものです。CSVでいつでも書き出せます。お預かりしたデータを、他社の案件や第三者のサービスに使うことはありません。内示の数量は客先の生産計画そのものなので、扱いには特に気をつけます。

費用と期間

プラン内容期間金額(税別)
ライト画面1〜2枚、機能1つ。個人〜数人での利用48時間¥98,000
スタンダード画面3〜6枚。データ蓄積・ログイン・通知・外部連携1つ5営業日¥298,000
保守・改修月2件までの改修、不具合対応は無制限月額¥30,000

第1段階(内示の履歴、前回との増減、CSV・Excelの取り込み、書き出し)はライトプランの範囲です。手配済み数量との突き合わせ、客先別の実績率、複数人での利用まで入れる場合はスタンダードになります。お使いの生産管理ソフトはそのままで構いません。客先の様式の追加や変更は保守の範囲(月2件までの改修)で対応できます。

内示が届いた日に、動いた品番が分かる状態にします

直近で届いた内示のファイルを1つ(数量は伏せていて構いません)と、よく動く品番をいくつか。それだけで十分です。内示をどう持てば増減が出るのか、画面が何枚になり、ライトとスタンダードのどちらなのかを1枚にしてお返しします。内示がほとんど動かない取引で、確定注文だけで回っているのなら、この仕組みは効きません。そのときは、その理由も正直に書きます。相談は無料です。

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